2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本語母語話者と日本語学習者の意見文におけるモダリティ使用
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19720119
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
伊集院 郁子 Tokyo University of Foreign Studies, 留学生日本語教育センター, 講師 (20436661)
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Keywords | 作文コーパス / 日本語母語話者 / 日本語学習者 / 意見文 / モダリティ |
Research Abstract |
本研究では、日本語母語話者と日本語学習者の意見文に出現するモダリティ(書き手の心的態度)の相違を分析し日本語学習者に対する作文指導の指針を示すこと、研究者が分析に有用できる作文コーパスを整備することを目的としている。平成20年度は、以下のように研究を進めた。 1 平成19年度に収集したデータ(日本語母語話者・中国語母語話者)のコーパス化 1) コーパス化のマニュアル(手順)の完成 2) テキストファイルの作成 3) エクセルファイルの作成 4) 分析項目のコーディング コーパス化を試みる中で、さまざまな問題が生じたため、その都度解決方法を試行錯誤した。例えば、誤用をどのようにコーパスに記録するかが大きな問題として生じた。検討の結果、日本語母語話者の作文に漢字や文法の誤用が見られた場合は、それが入力ミスではなく原文のままである旨、※をつけて本文より一行改行して注記することとした。(例 : ※「確段」原文のまま、※「見れる」原文のまま)また、中国語母語話者の作文については、入力不可能な文字の使用が見られたが、その文字に「*」を付し、文字の説明が可能であれば、※をつけて本文より一行改行して注記することとした。(例 : ※「直」の下は「一」) 2 新規データ(韓国語母語話者)収集のための交渉 平成21年度にカトリック大学校と東国大学校でデータ収集する旨、韓国の研究協力者を通じて合意を得た。 3 既存データ(国立国語研究所2001, 2004)を用いた分析による仮説の生成 分析の過程で、研究手法を精緻化するため統計的検定(χ二乗検定)の手法について研究会などに出席して学んだ。研究結果は第23回社会言語科学研究大会にて口頭発表した。
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