2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本語多義構文の効果的学習順序とその教材開発に関する認知言語学的研究
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19720125
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
尾谷 昌則 Tohoku Gakuin University, 教養学部, 准教授 (10382657)
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Keywords | 構文 / 類推 / 機能語 / 拡張 / 日本語教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本語の文型や構文といった複合構造をなす表現のうち、特に多義的に解釈できるものを外国人が学習する際に、どのような学習順序が効果的かについて考察するものである。本年度は、より実態に近い使用頻度を調査するために、コーパスの題材となるテキストデータを追加、増強した。追加したデータは、昨年度と童謡、インターネット上に存在する種々の掲示板(主に「2ちゃんねる」など)である。 それと平行して、本年度は、言語が多義的に変化・拡張してゆくプロセスについて焦点を当て、基礎的な研究を行った。具体的には、様々に提案されている言語の拡張現象・拡張要因の中から、特に外国語学習において重要な役割を果たすと思われる「類推」に焦点を当て、その先行研究を分析すると共に、近年類推によって拡張・変化したと思われる日本語事例を採取することに努めた。逆接の接続詞「だのに」が「なのに」へと変化したことはつとに有名であるが、近年では、順接の接続詞である「だから」が「なので」へと変化しつつある。この事例は、書き言葉ではまだそれほど多く観察されるわけではないが、話し言葉では頻繁に観察される。おそらく、逆接の「な+のに」から類推して、「のに」を「ので」へと交替させたものと考えられる。今後の目標は、このような変化が本当に類推によるものかをコーパスデータから証明することと、このような類推変化が日本語学習(特に機能語の学習)においてどのように応用できるかを模索することである。
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