2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本語多義構文の効果的学習順序とその教材開発に関する認知言語学的研究
Project/Area Number |
19720125
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
尾谷 昌則 法政大学, 文学部, 准教授 (10382657)
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Keywords | 日本語 / 構文の拡張 / 接続詞 / 文法化 / 理由 / なので / コーパス |
Research Abstract |
本年度は、近年急速に定着しつつある理由の接続詞「なので」を取り上げ、次のような調査・研究を行った。まず、近・現代小説に基づく自作コーパス(昨年度までに作成したデータベース)で、その出現時期・出現頻度を調査した。少なくとも文語では「なので」が近年まで見られなかったが、一方でWeb上では2000年頃から使用例が見られた。次に、その出現背景に関する分析を行った。理由を表す接続詞を丁寧型(「ですから」「ですので」)と非丁寧型(「だから」)に分類し、「なので」の役割がその中間を埋める存在であることを仮定し、次の3つの作業を行った。まずコーパス・データを検証し、その使用文脈が仮説通りであることを確認した。次に、文法構造(ダの連体形+ノデ)の視点から分析を行った。「だ」が非敬体、「ので」が敬体であることから、前述の仮説通りとなった。最後に、ポライトネス理論の視点から分析し、「なので」が敬語本来のネガティブ・ポライトネスを遂行しつつも、「ですので/ですから」には無いポジティブ・ポライトネスをも同時に遂行しようとした表現であるという結論に至った。 さらに本年度は、本課題研究(平成19年度~)によって明らかになった多義構文(「なので~」「全然~」「てゆうか~」など)の拡張と構文ネットワークに関して、その研究成果を図書として出版することが出来た。
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Research Products
(2 results)