2007 Fiscal Year Annual Research Report
項目学習と規則学習という観点から見た日本語学習者の動詞活用の習得
Project/Area Number |
19720127
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Research Institution | Niigata Sangyo University |
Principal Investigator |
菅谷 奈津恵 Niigata Sangyo University, 経済学部, 講師 (90434456)
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Keywords | 第二言語習得 / 動詞形態素 / テンス・アスペクト / コーパス分析 / 使用頻度 / 使用依拠モデル |
Research Abstract |
[目的]:本研究は、日本語学習者を対象とした実験を通して、動詞活用の習得における項目学習(item-learning)と規則の学習(rule-learning)の関係について考察し、効果的な日本語教育のあり方を検討することを目的とする。 [平成19年度の実績](3年間のプロジェクトの1年目) (1)先行研究の知見のまとめ:国内外の第二言語習得研究をもとに、項目学習と規則の学習との関連を考察した。 (2)文法性判断テストの分析:日本国内の学習者(n=61)を対象にした文法性判断テストを分析し、日本語学習者が生産的にテンス・アスペクト形態素(ル、タ、テイル、テイタ)の使い分けができるかどうかについて検討した。その結果、日本語能力の下位群は、個々の動詞を特定のテンス・アスペクト形態素と結びつけやすいことが明らかになった。一方、上位群は、ほとんどの動詞でコンテクストに合わせ適切なテンス・アスペクト形式を選択できるようになっていた。 (3)コーパスデータと文法性判断テストの比較:『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(デモンストレーション版)を用いて、各動詞のテンス・アスペクト形態素の使用頻度と(2)の文法性判断テストの結果との比較を行った。その結果、日本語能力の下位群でテイルの選択率にコーパス頻度との相関が見られることがわかった。 (4)研究成果の発表:(1)(2)の成果は、UWM Linguistic Symposium on Formulaic Languageにて口頭発表を行った。また、現在は、その際に得たコメントを踏まえ、(3)のコーパス分析の結果を加えて論文の改稿を進めている。
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