2009 Fiscal Year Annual Research Report
項目学習と規則学習という観点から見た日本語学習者の動詞活用の習得
Project/Area Number |
19720127
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Research Institution | Niigata Sangyo University |
Principal Investigator |
菅谷 奈津恵 Niigata Sangyo University, 経済学部, 講師 (90434456)
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Keywords | 第二言語習得 / 動詞形態素 / テンス・アスペクト / コーパス分析 / 使用頻度 / 使用依拠モデル |
Research Abstract |
[研究の概要]本研究の目的は、日本語の動詞活用が語彙のように暗記されていくものであるのか,あるいは、規則の学習を通して習得されるものあるのか検討することである。調査の結果から、日本語の動詞活用においては規則を適用する能力と、一つ一つの活用形を記憶する項目学習の働きの両者が関わっていることが示唆された。そして、日本語母語話者と比較した結果,日本語学習者と日本語母語話者とは,動詞活用の処理方法が異なる可能性が示された。これまで日本語の動詞活用について造語実験を行った研究は数が少なく、管見では、実在語と日本語レベルとの関連を検討したものは見当たらない。こうした要因を包括的に検討した点が、本研究の特色である。 [平成21年度の実績](3年間のプロジェクトの最終年) 1.データの収集と分析 縦断的な習得状況を検討するため、平成20年度に中国で行った調査と同一の日本語学習者(母語はモンゴル語、中国語)を対象に、動詞活用テストを実施した。その後、モンゴル語・中国語話者の協力を得て、収集データの入力、分析を行った。 2.研究成果の発表 2-1平成19年度にUWM Linguistic Symposiumにて口頭発表を行ったテンス・アスペクト形態素の習得に関する研究について、その際のコメントを踏まえてデータの再分析と改稿を行った。論文はJohn Benjamins社発行の論文集へ掲載された。 2-2国内で行った造語動詞の活用実験の成果は、Second Language Research Forumにおいて、口頭発表を行った。また、その成果の一部は、平成22年4月に『日本語教育』に掲載された。 2-3研究成果の概要を、個人ホームページに掲載した。その際には、本研究の主な調査対象者であるモンゴル語母語話者への研究成果の還元を図り、日本語、モンゴル語の二言語で掲載した。
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[Book] 'Can L21earners productively use Japanese tense-aspect markers? : Ausage-based approach.' Formulaic Language Vol.2 Acquisition, loss, psychological reality, and Functional explanations, the Typological Studies in Language series.2009
Author(s)
Sugaya, Natsue, Shirai, Yasuhiro. (Edited by Roberta Corrigan, Edith A. Moravcsik, Hamid Ouali, Kathleen M. Wheatley.)
Total Pages
22
Publisher
John Benjamins
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