2007 Fiscal Year Annual Research Report
学術的な場における理工系学生の英語コミュニケーション意欲を高めるための実践的研究
Project/Area Number |
19720132
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
CHRIS Weaver Jissen Women's University, 文学部, 講師 (50345336)
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Keywords | コミュニケーション意欲 / 英語 / 理工系学生 / コミュニケーション不安 / 対話者 / 英語の授業 |
Research Abstract |
平成19年度における本研究の焦点は、理工系学生が自分の「英語コミュニケーション意欲」として報告している内容と、英語の授業における彼らの実際の英語使用との関係について調査し、考察することであった。ビデオ撮影による録画ならびに低速度のデジタル写真撮影を利用して、英語の授業における教室での学生のコミュニケーション行動を追跡調査することが可能であった。この調査によって得られた情報は、予測していなかった発見を導き、また、英語の「コミュニケーション意欲」(WTC)に関するモデルを対人関係の観点から解釈し、説明するという新しい創造があった。この予測していなかった発見とは、理工系の女子学生の報告が、理工系の男子学生に比して、コミュニケーション不安のレベルが有意に高いことを示したことである。この調査結果は、女子学生の方が一般的には言語能力がより高いとする従来の考え方とは逆の結果を示している。この結果の説明として考えられることとして、ひとつには、本研究の対象は理工系学生であり、この分野は伝統的に男性優位の分野であることがあろう。本研究によってこれまでに浮かび上がってきた第二の重要な発見としては、コミュニケーションにおける対話者の重要性が挙げられる。被験者の学生は、英語でコミュニケーションを行うことに対する意欲は、自身の英語コミュニケーション能力として自分が考えているレベルと対話者の英語コミュニケーション能力の差異によって変動すると報告した。学生はまた、他者と話し合うことの目的が何であるかということが、彼らの英語によるコミュニケーション意欲に影響すると報告した。これらの調査結果は、対話者が及ぼす効果が重要な要素をなしていることを示唆しており、この点は、これまでのWTC研究において指摘されてこなかった点である。
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Research Products
(1 results)