2008 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ, 学習意欲が低いのか : 外国語学習者の動機づけを高める指導方略の開発
Project/Area Number |
19720138
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
廣森 友人 Ehime University, 教育・学生支援機構, 准教授 (30448378)
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Keywords | 英語教育 / 応用言語学 / 第二言語習得研究 / 動機づけ / 個人差 / 教育介入 |
Research Abstract |
昨年度に実施した研究(例えば, 廣森(2007))から, 効果的な教育介入を志向する上では, 動機づけの文脈依存性を考慮する必要があることが明らかになった。そこで今年度は, 外国語学習者の動機づけを"Situation-specific"な側面からより詳細に検討することを研究の目的とした。より具体的には, 実際の学習場面における動機づけを"Pre-decisional phase"(意志決定前段階)と"Post-decisional phase"(意志決定後段階)から成り立つものとして捉え(Heckhausen, 1991 ; Heckhausen & Kuhl, 1985), 両者の関連を調査対象となる学習者の全体傾向と個人差の観点から調査することとした(例えば, 廣森(2008), Hiromori(2009))。 研究調査の結果として, 特定の学習活動に対する目標を設定し, その遂行を可能にする意図を形成する段階と, 形成された意図を実行に移し, 目標達成に向けた行動に実際に従事する段階は密接な関連を有することが明らかになった。 従来の動機づけ研究が主たる対象としてきた前者("Pre-decisional phase")に加え, 後者("Post-decisional phase")も同じ研究の枠組みに組み込むことにより, より統合的に動機づけのプロセスを捉えることが可能になり, ひいては, より効果的な学習指導の展開につなげることが可能になるものと期待する。
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