2009 Fiscal Year Annual Research Report
なぜ,学習意欲が低いのか:外国語学習者の動機づけを高める指導方略の開発
Project/Area Number |
19720138
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
廣森 友人 Ritsumeikan University, 経営学部, 准教授 (30448378)
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Keywords | 英語教育 / 応用言語学 / 第二言語習得研究 / 動機づけ / 個人差 / 教育介入 |
Research Abstract |
本年度は,これまでの動機づけ研究で得られた成果を踏まえ,そこから効果的な外国語(英語)の指導に向けた具体的示唆を導き出すことを目的とした。以下では,その概要を3点にまとめる。 (1)行動の目標や目的(質的側面)を規定する「動機」 外国語学習における動機の構造を記述・説明した研究は,社会心理学的なアプローチによる研究,教育心理学的なアプローチによる研究,新たな展開を志向した研究のように進展してきた。これらの研究からは,さまざまな理論で論じられている複数の動機をバランスよく有すること,言い換えれば,多様な学習動機を持つことの重要性を指摘することができる。 (2)前者に加え,実際の行動の強さ(量的側面)を規定する「動機づけ」 多様な学習環境において,動機づけがどのように発達・変化するのかを記述した研究,ならびに動機づけのプロセスに影響を与える諸要因を明らかにした研究などが見られる。これらの研究からは,学習動機を継続的に持ち続けること,ならびに動機づけに肯定的な影響を与えると想定される要因をうまく利用することの重要性を指摘することができる。 (3)行動の質的・量的側面への介入を志向する「動機づける」 どのようにすれば外国語学習への動機づけを高めることができるのか,言い換えれば,外国語学習者を動機づける理論の構築といった,より実際的な問題を直接的に扱った研究が増えつつある。これらの研究からは,いくら効果的だと思われる指導法が開発されたとしても,それらが唯一絶対だと考えるには慎重になるべきであり,個人差を踏まえた指導こそがより求められるということを指摘することができる。
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