2007 Fiscal Year Annual Research Report
公立高校入試英語リスニングテストにおけるタスクタイプが成績解釈に与える影響
Project/Area Number |
19720153
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
大塚 賢一 Ibaraki National College of Technology, 人文科学科, 講師 (70446235)
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Keywords | リスニングテスト / 高校入試 / タスクタイプ |
Research Abstract |
現在47都道府県全ての公立高校入試で英語リスニングセクションが設けられているが、英文は全て2回以上繰り返されている(一部詳細非公開県を除く)。本研究では、公立高校入試リスニング問題として使用された項目を形式のことなる6種類に改編し、「英文の繰り返し数」(聞き取るモノローグ・ダイアロニグの繰り返しがない/2回繰り返される)、「質問文の事前提示」「選択肢の事前提示」(印刷してある/放送されるだけ)の影響を調査した。被験者は高校一年生で、6つの等質グループに以下の(1)〜(6)の各フォーマットを回答させた。[(1)繰り返しあり・質問文事前提示なし・選択肢事前提示なし、(2)繰り返しなし・質問文事前提示なし・選択肢事前提示なし、(3)繰り返しあり・質問文事前提示あり・選択肢事前提示あり、(4)繰り返しなし・質問文事前提示あり・選択肢事前提示あり、(5)繰り返しあり・質問文事前提示なし・選択肢事前提示あり(最も使われているタイプ)(6)繰り返しなし・質問文事前提示なし・選択肢事前提示あり] 調査結果のまとめは以下の通りである。1.(1)、(3)、(5)間、(2)、(4)、(6)間に統計的有意差がなかった。従って質問文の事前提示と選択肢の事前提示は、得点に影響を与えていない。2.(1)は(2)、(4)、(6)間に、(3)と(5)は(2)、(6)間に統計的有意差が見られた。従って英文の繰り返しは得点の上昇に影響を与えている。3.項目弁別力の検定では、どのフォーマット間にも統計的有意差が現れなかった。従ってどのフォーマットを使用しても受験者の能力弁別という役割を果たせる。 上記1の結果は、質問文や選択肢の提示は受験者の理解を妨げるとの先行研究結果と、更に2の結果は、今回の実験と同一問題を使用した別の研究の結果と異なることから、その原因を探る必要がある。今後は被験者数とタスクタイプの幅を増やることにより、より測定結果の精度を上げて再検証する。
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Research Products
(4 results)