2008 Fiscal Year Annual Research Report
公立高校入試英語リスニングテストにおけるタスクタイプが成績解釈に与える影響
Project/Area Number |
19720153
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
大塚 賢一 Ibaraki National College of Technology, 人文科学科, 講師 (70446235)
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Keywords | リスニング・テスト / 問題文事前提示 / 選択肢事前提示 / 高校入試 / タスク・タイプ |
Research Abstract |
本研究の目的は、公立高校の入試で使われる英語リスニング・テストにおいて、「問題文」と「選択肢」が問題用紙に印刷されているかいないか、また、英文放送の「繰返し」があるかないかの違いがテスト成績にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることである。現在、様々なタイプのリスニング・テストが実施されているが、上にあげたタスク・タイプの違いが及ぼす影響等を検証した研究が少ないことを考えても、十分に検証されたうえでテストが作成され、実施されているとは言い難い。使用したタスク・タイプは以下の8つである。(1)問題文印刷なし+選択肢印刷なし+繰返し有り、(2)問題文印刷なし十選択肢印刷なし+繰返しなし、(3)問題文印刷あり+選択肢印刷あり+繰返し有り、(4)問題文印刷あり+選択肢印欄あり+繰返しなし、(5)問題文印刷なし+選択肢印刷あり+繰返し有り、(6)問題文印刷なし+選択肢印刷あり+繰返しなし、(7)問題文印刷あり+選択肢印刷なし+繰返し有り、(8)問題文印刷あり十選択肢印刷なし+繰返しなし。英文の内容は8つとも全て共通で、男女2名による80語程度のダイアログである。問題は放送された1つのダイアログにつき2問である。 等質の8グループにテストを実施した。その結果明らかになったのは、素点と項目困難度に最も影響を与えた要因は英文放送の「繰り返し」であり、「問題文」や「選択肢」が印刷されているいないに関わらず、繰返しががあると素点が上昇し、また難易度も下がった。しかしながら、項目弁別力指数にはタスク・タイプは影響を与えていないことがわかった。 同一英文を使用してもタスク・タイプの違いが成績解釈に影響を与えることが明らかになった。これは問題作成時だけでなく、学習者のストラテジーにも関係する事柄であり、多様な問題形式を用いて追実験を行い、さらに詳細を明らかにしたい。
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