2009 Fiscal Year Annual Research Report
高専生の写真描写課題に対する特性の解明並びに特性に応じた教材開発に関する実証研究
Project/Area Number |
19720154
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
井上 英俊 Akashi National College of Technology, 一般科目, 准教授 (00332023)
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Keywords | 英語 / 教育学 / リスニング / 写真 / 高等専門学校在籍学生 |
Research Abstract |
平成21年度は、以下の2項目を終了した。 項目1. 高等専門学校在籍学生約500名に対して実施した写真描写課題1(通常リスニング版)の異なる問題数(10問版と20問版)における調査結果の差異に関する分析 項目2. 高等専門学校在籍学生約500名に対して実施した写真描写課題3(問題間ポーズを変化させた版)並びに写真描写課題4(センテンス間ポーズを変化させた版)の集計 まず項目1に関してであるが、TOEICリスニングスコアを共変量とする共分散分析を行った結果、10問版と20問版における平均点の差は有意ではなかった。しかしながら、TOEICリスニングスコアに基いて上位群(スコア255以上)、中位群(スコア205~250)、そして下位群(スコア200以下)の3つのグループを設定して分析を行うと、中位群と下位群においては平均点の差に有意傾向が確認された。そして、中位群と下位群ともに10問版の方が平均点が低く、得点の散らばりが大きい傾向を示した。 次に項目2に関してであるが、これまで分析が終了した67名分について、TOEICリスニングスコアを共変量とする共分散分析を行った結果、写真描写課題1(通常リスニング版)と写真描写課題3(問題間ポーズを変化させた版)並びに写真描写課題4(センテンス間ポーズを変化させた版)の平均点の差はそれぞれ有意であり、多重比較の結果、写真描写課題4(センテンス問ポーズを変化させた版)の平均点が他の版よりも有意に高くなることが明らかとなった。この結果より、学生が写真描写課題に困難を感じた場合、学習初期段階ではセンテンス間ポーズをより多く挿入することによって聴解を促進させることが可能であろう、と捉えられる。 以上の知見は、高等専門学校の英語教育に対してすぐに援用可能であると考える。
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