2007 Fiscal Year Annual Research Report
古代ローマ帝国における言語接触と西部地域におけるラテン語の浸透過程
Project/Area Number |
19720156
|
Research Institution | Musashino Academia Musicae |
Principal Investigator |
志内 一興 Musashino Academia Musicae, 音楽学部, 講師 (60449288)
|
Keywords | 西洋史 / 西洋古典 / 言語接触 / 文化接触 / ローマ帝国 / 地中海 / ローマ化 / 文化変容 |
Research Abstract |
昨年度は本補助金の援助を得て、大きな研究成果を挙げることができた。 特に昨年度二月には、南フランスへの研究旅行を実施することができ、ミヨー市のラ・グローフザンク遺跡という、後1世紀の西地中海世界における陶器製造の中心地を訪れることができた。この町はその多岐にわたる重要性故に、以前より欧米の研究者からは大きな注目をもって扱われてきたが、残念なことにこれまでの我が国の研究者たちにはほぼ全く注目されてこなかった。本研究においては、そこで発見されている陶器片上の文字の言語から、当時当地にあった陶エコミュニティで使用されていた言語を反映する、文学史料などには現れない実際の言語使用に関する多くの情報を引き出すことができると想定していたが、実際に現地の状況を自身の目で確かめ、また日本では手に入れにくい多くの資料を入手することで、問題意識をさらに深め、また理解をも深めることができた。 また我が国の大学図書館等にはあまり所蔵されていない、古代地中海世界において使用されていたギリシア語とラテン語以外の言語に関する資料集を中心に書籍の購入を進め、多くの情報を集めることもできた。 こうして得られた成果はそのまま大学における講義、社会人講座の内容に反映させ、成果の社会への還元も行った。また研究旅行の成果を含む論文はすでに帰国後直ちにまとめられており、本年度中に南窓社から複数著者による論文集の一篇として出版されることになっている。こうした活動は本年度も継続する予定である。
|
Research Products
(1 results)