2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720157
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
FREDERIK Cryns International Research Center for Japanese Studies, 研究部, 准教授 (90370139)
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Keywords | 17世紀 / 日本観 / オランダ / コメリン / モンターヌス / 出島文書 / 東インド会社 / 徳川時代 |
Research Abstract |
本研究の目的は、17世紀オランダで日本についてどのような情報がどのような経路で伝わり、また、その情報がどのように普及・利用・理解されたかを総合的に解明することである。 平成21年度には、9月にアムステルダム大学図書館を訪書し、日本情報を伝達したコメリン『東インド会社の起源と発展』(1646年刊)およびモンターヌス『東インド会社遣日使節紀行』(1669年刊)の出版や成立について調査した。また、ハーグの国立文書館では、これら両著に掲載されている日本関連東インド会社文書の典拠について同定作業を行った。 日本およびオランダにおける調査で得られたデータを整理し、各資料の性質・位置づけ・思想的背景および日本関係記述の内容・性質・典拠・影響について文献学的に研究し、その成果を『17世紀オランダ人が見た日本』(臨川書店、2010年5月出版予定)にまとめた。その中で、17世紀オランダに普及した日本情報について以下の三つの特徴を提示した。 (1) 17世紀オランダを中心に日本について質の高い最新情報がヨーロッパに発信された。 (2) この日本情報の伝達媒体として東インド会社文書が重要な役割を果たした。 (3) 17世紀オランダでは日本に対する関心が強く、日本文化に対する親近感があった。 なお、オランダのライデン大学からこの分野を専門とする研究者を招き、2010年3月19日~20日に国際日本文化研究センターにおいて国際シンポジウム出島文書と徳川時代」を開催し、その中で「17世紀ヨーロッパにおける日本情報の伝達媒体としての東インド会社文書」と題する成果発表を行った。
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Research Products
(4 results)