2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720166
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
吉江 崇 Kyoto University of Education, 教育学部, 講師 (50362570)
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Keywords | 日本古代史 / 宮廷儀礼 / 部類記 / 勧修寺家 / 大記 |
Research Abstract |
本研究では、(1)おもに宮廷儀礼を運営するために製作された部類記と呼ばれる書物について、研究に活用するうえで利便性があるような詳細な目録を作成すること、および、(2)そこでの調査成果に基づいて、部類記に関する基礎的な考察をおこなうこと、の2つの目標を掲げている。3年間の研究期間のうちで2年目にあたる本年度は、この2つの目標のうち、(2)にむけての基礎的作業をおこなった。 昨年度おこなった(1)の目録作成は、京都大学総合博物館所蔵の勧修寺家文書に含まれる部類記を当面の対象としたものであったが、それを(2)の考察へ移すにあたっては、対象とした勧修寺家の特色を記録の伝来という形で整理する作業が不可欠と思われる。そして、その格好の素材となるのが、勧修寺家の祖である藤原為房の日記(大記)がいかに書写され、どのように伝来しているかという問題であろう。そこで本年度は、為房の日記に関する詳細な調査を行うことを主要な課題とした。現存する大記の写本は、約20機関が所蔵しているが、本年度はそのうちの10機関を実際に訪れて資料を閲覧し、写本系統を明らかにするための調査をおこなった。日程など種々の理由から閲覧が叶わなかった残りの写本については、次年度に調査を行い、より有効的で充実した調査成果を期したいと考えている。 また、本研究の最終的な目標は部類記を用いて宮廷儀礼の変容過程を明らかにすることだが、そうした点と密接に関係すると考える個別研究もおこない、学会発表と学会誌における公表をした。上記の調査とあわせて、本研究を意義深いものとするうえで資するところが大きいものと考える。
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Research Products
(2 results)