2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19720172
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 幸司 Yamaguchi Prefectural University, 山国際文化学部, 准教授 (30364128)
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Keywords | 幻住派 / 湖心碩鼎 / 『三脚稿』 / 『頭賢録』 / 嘯岳鼎虎 / 洞春寺 / 戦国期 / 語録 |
Research Abstract |
本年度は,戦国期の語録史料を概観する作業と,戦国期に幻住派隆盛の端緒を築いたとも言える湖心碩鼎の語録『三脚稿』と『願賢録』の研究を進めた。 『三脚稿』のデータベース作成については,丹波高源寺所蔵写本(東京大学日本史学研究室所蔵写真版)の写真紙焼きを底本としつつ,『続群書類従』本を参照しつつ行った。『?賢録』についても,同様にデータベース化を進め,『三脚稿』と同じく丹波高源寺所蔵写本(東京大学日本史学研究室所蔵写真版)の写真紙焼きを底本としつつ,写真の見にくい箇所などは,東京大学史料編纂所架蔵写本の紙焼きを参照しつつ入力を行った。データベースは,まず全文入力を基本とし,後日,検索などがし易いように工夫することを考えている。 なお,幻住派僧と密接な関わりを有する周防大内氏や中世都市博多の研究も遂行した。特に,大内氏の系譜認識や幻住派の拠点とも言える中世都市博多で展開する寺社,対東アジア貿易のあり方を概観した。 また,湖心碩鼎につづく幻住派僧である嘯岳鼎虎ゆかりの寺院山口洞春寺の所蔵史料の閲覧も行った。洞春寺には,嘯岳鼎虎が豊臣秀吉による朝鮮侵攻に従軍した際に持ち帰ったと思われる朝鮮本が多く伝来している。現在,これらの諸本は山口市教育委員会に寄託されており,同委員会の協力を得て嘯岳鼎虎手択本朝鮮本の原本史料調査を行った。
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Research Products
(3 results)