2009 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方所在の蝦夷地関係史料の調査と北海道・東北地方の交流史に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19720174
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
東 俊佑 History Museum of Hokkaido, 学芸部, 研究員 (30370224)
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Keywords | 近世史 / 史科学 / 古文書学 / 北海道 / 東北地方 / 北方史 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近世において蝦夷地と深い関わりのあった奥羽(東北)地方における蝦夷地関係史料(主に古文書)の所在について調査を行うことであった。今年度は、最終年度にあたるため、前年度までの調査の残りと成果のとりまとめをおこなった。 第一に、史料の所在把握のまとめとして、東北地方各県・市町村の史料保存機関(文書館・図書館・博物館等)における目録や自治体史に見える蝦夷地関係史料の抽出と整理を行った。これについては、拙稿「東北地方所在の蝦夷地関係史料(概報)」(『北海道開拓記念館調査報告』第49号、2010年3月)として発表した。 第二に、江戸~明治期において蝦夷地・北海道と深いつながりのあった秋田県にかほ市象潟の須田正美家文書の調査、整理、および目録化を行った。未整理状態の書簡・証文類、北海道関係文書、書籍・図書類等に関して、分類、中性紙封筒入れを行うとともに、資料名、年代、差出人・宛先等の基本情報を把握し、目録の形で整理を行った。これについても、「須田正美家文書目録」(『北海道開拓記念館調査報告』第49号、2010年3月)として発表した。なお、史料整理、目録作成に際しては、三浦泰之氏・田村将人氏(北海道開拓記念館)、松本あつさ氏(藤女子大学)に象潟調査への協力をお願いし金道博氏・齋藤一樹氏・土田秀喜氏(にかほ市象潟郷土資料館)、石船清隆氏(白瀬南極探検隊記念館)に現地協力をいただいた。 本研究により、北地方所在の蝦夷地関係料のを明らかにることができた。今後実際に個々のを調査するの探索の一助となるでろう。また須田正美家文書の目録化により、東北地方のなかで蝦夷地・北海道とかなり親密な交流めあっだ象潟の歴史文化解明の基礎的な環境が整えられた。今後、同文書の本格的研究により、具体的な交流の姿が明らかになっていくものと思われる。
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