2007 Fiscal Year Annual Research Report
第2次大戦時の日系人収容所における新聞発行と政府の統制
Project/Area Number |
19720197
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
水野 剛也 Toyo University, 社会学部, 准教授 (90348201)
|
Keywords | 日系アメリカ人 / 第二次世界大戦 / ジャーナリズム / 新聞 / 検閲 / 言論・表現の自由 / 立ち退き・収容 / 憲法修正第一条 |
Research Abstract |
4年にわたる研究の初年にある平成19年度は、当初の計画以上の成果を得ることができた。すなわち、これまで発表されてきた先行研究のレヴューを実施しながら、一方で史料収集とその分析にも手をのばし、さらに研究論文・著作の執筆も開始することができた。 まず、2007年8月から9月にかけて、約3週間にわたってワシントンDCを訪問し、国立公文書館においてじっくり史料収集に従事することができた。今回の訪問では、主として国務省と戦時転住局の史料にあたったが、これまでの先行研究で使われていない多くの貴重な新史料を発掘することができた。さらに、2008年2月から3月にかけては、ワシントン州立大学を訪問し、日系アメリカ人関係の新しい史料・文献を発掘することができた。 もちろん、具体的な研究成果もある。時系列的に紹介すると、まず、国際交流基金日米センター(CGP)から委託された報告書を、津田塾大学の飯野正子学長とともにまとめることができた。(『「日系アメリカ人リーダー訪日招聘プログラム」事業評価報告書』)。 また、上述の飯野学長も参加する「移民研究会」による文献解題の出版にも関わった。担当したのは「マスメディア、ジャーナリズム」に関する第8章である。(移民研究会編『日本の移民研究 動向と文献目録II 1992年10月〜2005年9月』(明石書店)) さらに、細かな研究業績として、歴史学の分野で権威のある学術雑誌『日本歴史』に書評を一本寄稿し(第710号、2007年7月、評価した本は貴志俊彦・川島真・孫安石編『戦争・ラジオ・記憶』)、また、ロサンゼルスの全米日系人博物館が運営しているサイト「Discover Nikkei」 (http://www.discovernikkei.org)にコラム(「『日系人=人質』説の逆説」)を寄稿した。 刊行予定の業績としては、佐藤卓巳ほか編・著『資料で読むアジアの8月15日』(山川出版社)への寄稿論文がある。「日系アメリカ人のマス・メディアと終戦記念日 一九四五〜五五年 アメリカの勝利と日本の敗北のはざまで」というタイトルで第3章を担当し、2008年5月に出版される予定である。
|
Research Products
(3 results)