2008 Fiscal Year Annual Research Report
第2次大戦時の日系アメリカ人収容所における新聞発行と政府の統制
Project/Area Number |
19720197
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
水野 剛也 Toyo University, 社会学部, 准教授 (90348201)
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Keywords | 日系アメリカ人 / 強制立ち退き・収容 / ジャーナリズム / 言論・報道の自由 / 検閲 / 第2次世界大戦 / マス・メディア / 日本語新聞 |
Research Abstract |
4年にわたる研究の2年目にあたる平成20年度も、前年度にひきつづき、当初の計画以上の成果を得ることができた。すなわち、これまで発表されてきた先行研究のレヴューを実施しなが照、一方で史料収集とその分析にも手をのばし、さらに研究論文・著作の執筆も開始することができた。まず、2009年2月か照3月にかけて、約3週間にわたってワシントンDCを訪問し、国立公文書館においてじっくり史料収集に従事することができた。今回の訪問では、主として司法省、敵性財産管理局、財務省の史料にあたったが、これまでの先行研究で使われていない多くの貴重な新史料を発掘することができた。それ照膨大な量の史料分析は今後の課題となるが、ひとまずは大きな成果を得ることができた。 具体的な研究成果としては、「移民研究会」のメンバーとして、日系アメリカ人に関する文献解題を出版し、さらに、ユタ州の日本語新聞『ユタ日報』を事例として、日本の敗戦の報道内容を分析した論文を出版した。 審査つきの論文も2本刊行し、いずれもかなりの分量の論文で、自分としても納得できる内容であった。 今後の刊行をめざして取り組んでいる研究もある。1つは、"Censorship in a Different Name : Press"Supervision"in Wartime Japanese American Camps 1942-1943"というタイトルの論文で、2009年8月にボストンで開催されるAssociation for Education in Journalism and Mass Communication(AEJMC)での学会発表のためのものである。実質的に執筆は終了しているので、あとは論文を提出して、審査を待つのみである。もう1つは、2冊目となる単箸の執筆を本格的にはじめた。タイトル等はまだ正式に決定していないが、暫定的に「戦時下の「敵国語」ジャーナリズム日米開戦とアメリカの日本語新聞」としてある。 来年度中にはゲラの段階まで進めるつもりである。 以上の成果をあげるにあたっては、本研究による成果が随所で活かされている。今後も継続的に努力し、本年度よりさらに充実した研究をしていきたい。
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Research Products
(3 results)