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2009 Fiscal Year Annual Research Report

ラオス焼畑村落における畜産業の地理学的研究

Research Project

Project/Area Number 19720216
Research InstitutionKonan University

Principal Investigator

中辻 享  Konan University, 文学部, 准教授 (60431649)

Keywords家畜 / ブタ / トウモロコシ / 焼畑 / 土地利用 / 出作り集落 / ラオス / 東南アジア
Research Abstract

ラオス北部の山村では豚コレラやニューカッスル病などブタや家禽の伝染病が流行している.このため,集落内で家畜を飼育すると頻繁に大量死か起こることか問題となっている.この問題に対処するため,村人は集落から離れたところに出作り集落(現地語で「サナム」と呼ばれる)を設け,家畜飼育の拠点としている.サナムには外部から新たに家畜や肉類を持ち込むことは禁じられている.このように,集落から離れた奥地に飼育拠点を設け,病原菌の侵入を遮断しようとすることで,家畜の病気感染を防ごうとしているのである.以上が20年度までの調査で明らかになっている.
21年度は予定通り,ラオス北部ルアンパバーン県のシェンヌン郡において,1ヶ月半の調査の実施した.具体的にはカン川周辺の15村落を対象にして,できるだけ多くのサナムを踏査した.その結果,このうち10の村落で39のサナムが確認された.これらのサナムの設営世帯数は1~10世帯であり,集落から300mから7kmのところに設営されている.サナムの形態や機能は多様であるが,病気感染を避けるために設けた家畜飼育の場であるという点は共通する.
家畜飼育に特に力を入れたサナムはこの地域で最も標高が高い石灰岩峰の周辺に分布する.ここは「赤土」と呼ばれる土が分布し,ブタの飼料として好まれるトウモロコシの在来種の栽培に適するとされる.さらに,ここはウシ放牧の適地でもある.このように,飼料生産や放牧の適地であることが,石灰岩峰周辺がサナムの設営地として好まれる大きな理由となっている.
東南アジアの山村では家畜販売が住民の現金収入源としてきわめて有望である.にもかかわらず,その飼養実態について正面から取り組んだ研究はまだ少ない.今後,この地域の貧困対策として,家畜飼養の振興をはかるためにも,本研究での実態分析は意義あるものといえよう.

  • Research Products

    (4 results)

All 2010 2009

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] ラオス焼畑山村における農村開発政策の意義と問題点-ルアンパバーン県シェンヌン郡の高地村落と低地村落の比較から-2010

    • Author(s)
      中辻享
    • Journal Title

      地理科学 65巻1号

      Pages: 26-49

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ラオス山村における出作りによる家畜飼育について2010

    • Author(s)
      中辻享
    • Organizer
      2010年日本地理学会春期学術大会
    • Place of Presentation
      法政大学
    • Year and Date
      2010-03-27
  • [Presentation] ラオス山村における出作りによる家畜飼育について2009

    • Author(s)
      中辻享
    • Organizer
      第19回 日本熱帯生態学会年次大会
    • Place of Presentation
      大阪市立大学
    • Year and Date
      2009-06-20
  • [Presentation] 東南アジアの焼畑民の現在-ラオスを事例に2009

    • Author(s)
      中辻享
    • Organizer
      兵庫地理学協会 春期例会
    • Place of Presentation
      甲南大学
    • Year and Date
      2009-06-06

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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