2007 Fiscal Year Annual Research Report
都市再生過程におけるオフィス立地再編と望まれる都市間関係・都市構造
Project/Area Number |
19720222
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
伊藤 健司 Meijo University, 経済学部, 准教授 (20303571)
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Keywords | 地理学 / 立地 / オフィス / 持株会社 |
Research Abstract |
本研究は主に1990年代以降のオフィス立地の変化を明らかにし、都市構造への影響を検討し、オフィスの視点からみた場合の都市間関係・都市構造の望ましいあり方を検討することを目的としている。本年度は、主に企業の経営統合に着目した。1997年の独占禁止法改正により、(純粋)持株会社の設立が可能となったことにより、持株会社を設立しての経営統合がおこなわれるようになった。従来、ライバル関係にあった企業同士が経営統合し、様々な業界で、業界の再編成が生じている。上場企業を対象として持株会社を設立しての経営統合の傾向を見ると、東京の企業同士の経営統合により東京に持株会社が立地する場合が最も多い。東京の企業と東京以外の企業による場合も基本的に持株会社は東京となっている。金融機関などでは東京以外の地方銀行・第二地方銀行による経営統合もあり、この場合は持株会社も地方に設置される傾向にある。地方の企業同士の場合でも、事業展開地域の異なる企業同士の経営統合では、東京に持株会社を設置する事例が流通業で複数みられる。結果として大企業本社の一般的な立地状況よりも、持株会社の場合は東京への集中度がさらに高まりつつあると考えられる。持株会社化による経営統合の場合、事業会社の本社は元の所在地に引き続き立地するものの、多くの場合、グループ全体の戦略企画部門や広報部門の機能は持株会社が担うようになるため、その重要性は低下すると考えられ、地域経済や都市経済への影響が考えられる。
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