2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市再生過程におけるオフィス立地再編と望まれる都市間関係・都市構造
Project/Area Number |
19720222
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
伊藤 健司 Meijo University, 経済学部, 准教授 (20303571)
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Keywords | 地理学 / オフィス / 都市 |
Research Abstract |
本研究は、主に1990年代以降のオフィス立地の変化を明らかにし、都市構造への影響を検討し、オフィス立地の視点から見た場合の都市間関係・都市構造の望ましいあり方を検討することを目的としている。都市再生については、都市再生緊急整備地域の指定や中心市街地活性化法の枠組みなどにより進められてきた。改正中心市街地活性化法により基本計画の認定を受けた都市をみると、多くの地方都市は、商業機能、業務機能、居住機能などを都市機能として重視しているものの、業務機能についての取り組みを具体的に提示している都市は限定される。主に特徴的な取り組みをしていると考えられる新潟県長岡市と静岡県浜松市について、統計資料の収集、ヒアリング、現地調査などにより検討した。長岡市では「中心市街地事務所集積促進事業」を実施したり、市役所を中心市街地内部に移転分散配置することを進めたりしている。浜松市は土地区画整理事業にともない複数の行政施設が中心市街地に移転し公的な業務機能の再配置が行われ、関連事業所の移転も見られる。またオフィスに関連する補助事業も調査・研究中である。課題としては、行政施設の移転効果は重要であるが、多くの都市での実現は容易でないことがあり、また、都市構造として都心部と郊外の関係については、検討が引き続き必要になる。また、都心部への業務機能の立地を促進するためにも、都心部での施策にとどまらず、都市全体としての魅力を高めること、産業の活性化が必要となる。
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