2007 Fiscal Year Annual Research Report
衛星写真測量による東アジア古代都市の3次元デジタル地図の作成と地形解析
Project/Area Number |
19720225
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
河角 龍典 Ritsumeikan University, 文学部, 講師 (60388105)
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Keywords | リモートセンシング / GIS / 写真測量 / 地形 / 長安 / 環境史 / 古代史 / ALOS |
Research Abstract |
本年度は、東アジアの古代都市を対象とした衛星ステレオ画像を用いたデジタル写真測量およびその地形解析の可能性を探るために(1)衛星画像の収集、(2)衛星ステレオ画像の写真測量、(3)現地調査、(4)ステレオ画像を元にした地形判読、の4項目の調査研究を実施した。本研究では、主に2006年度以降利用可能となった、陸域観測衛星ALOSのPRISM(パンクロマチック立体視センサ)の画像データを用いて分析を進めた。 (1)2007年度は、東アジアの古代都市エリアにおいてもALOS PRISMの観測が実施され、研究対象地域のアーカイブ画像が蓄積された。具体的には、長安城(中華人民共和国陝西省西安市)、洛陽城(中華人民共和国河南省洛陽市)、平城京(奈良市)のステレオ画像(モノクロ・解像度2m)を入手することができた。 (2)入手できたALOS PRISMの衛星画像データについては、すべて衛星画像の解析ソフトウェア(ERDAS IMAGIN)に入力し、表示を行った。平城京のステレオ画像についてはデジタル写真測量を実施し、DSM(Digital Surface Model)を生成することができた。 (3)長安城の立地環境を把握するために、西安市において地形調査を実施した。その結果、長安城の立地環境を中〜小地形スケールで把握することができた。長安城域は、黄河中流の渭河流域および秦嶺山脈を源流にもつ渭河支流河川流域に立地することを確認した。長安城域の地形は、大局的には、南から北へ傾斜するエリアを取り込み、台地、扇状地、自然堤防地帯が分布する。日本の宮都と比較すると藤原京と類似する地形条件であることが判明した。 (4)長安城域およびその周辺の地形の分布状況を把握するために、ALOS PRISMのステレオ画像をもとに立体視を実施し、小地形スケールまでの地形判読が可能であることを確認した。
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