2008 Fiscal Year Annual Research Report
衛星写真測量による東アジア古代都市の3次元デジタル地図の作成と地形解析
Project/Area Number |
19720225
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
河角 龍典 Ritsumeikan University, 文学部, 講師 (60388105)
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Keywords | リモートセンシング / 写真測量 / GIS / 古代史 / 地形 / 都城 / 環境史 / DEM |
Research Abstract |
本年度は、まず、東アジアの古代都市域の陸域観測衛星ALOSの衛星画像とCORONAを新たに収集した。ALOSに関しては、長安(中華人民共和国西安市)のPRISM(RPCデータ付直下視・後方視)、AVNIR-2のデータを収集することができた。その結果、前年度収集分を含め、長安周辺のエリアを広い範囲で現在の地形を把握できるようになった。また、CORONAの画像に関しては、USGSでの検索の結果、長安の全体がカバーされていないことが判明し、入手可能な長安の一部のエリアのみ収集した。 次に、これらの収集した長安のALOS PRISMのステレオ画像を元に立体視を行い、地形区分図を作成した。また、ERDAS IMAGIN9.2を利用し、ALOS PRISMのRPC付画像データからオルソ画像を作成し、それらをもとに西安市周辺のデジタル地図の作成を実施した。また、さらにSRTMのDEMと組み合わせ、GISを用いて長安周辺の景観の3次元化を実施し、地形の3次元ビジュアライゼーションを行い地形判読の補助とした。 長安城の地形は、大きくみると南東から北西に傾斜する。長安城域の南西には更新世の段丘地形が分布し、長安城域の広くは渭水支流の扇状地地形が支配する。長安城域は、渭河平原を流下する渭水本流の影響を直接的に受けず、むしろその支流河川の影響を強く受けて形成された地形に立地する。こうしたマクロスケールでの地形利用は、奈良盆地南部に建設された藤原京と類似することが判明した。
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