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2009 Fiscal Year Annual Research Report

「合掌造り」を事例とした近代における民家の価値転換に関する民俗学的研究

Research Project

Project/Area Number 19720236
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

才津 祐美子  Nagasaki University, 環境科学部, 准教授 (40412613)

Keywords民俗学 / 合掌造り / 民家 / 資源化
Research Abstract

本年度は、「合掌造り」民家が全国に移築された経緯と移築後の活用状況について、移築先と移築元の双方で現地調査を行うとともに、白川村において「合掌造り」が「現地展示」されるようになった歴史的経緯について調査・研究を行った。具体的な研究成果は以下の通りである。
1. 移築先からみた「合掌造り」移築の経緯について
商業施設として再利用するために移築された「合掌造り」を中心に行った調査では、個々の移築の経緯について具体的に明らかにすることができた。その結果、こうした「合掌造り」の移築には膨大な費用と労力が必要だったことがわかった。
2. 移築後の維持管理について
昨年度を中心に調査した博物館的な施設としてではなく、商業施設として移築された「合掌造り」は個人が所有しているものがほとんどであるため、移築後の維持管理がかなり深刻な問題となっていることが明らかになった。
3. 移築元である白川村からみた「合掌造り」移築の経緯について
「合掌造り」が売買されるようになった背景(その頃の白川村の状況)や売買に関わった業社の存在、具体的な移築作業(解体-輸送-再建)等について明らかにすることができた。また、相次ぐ売買による「合掌造り」の減少に危機感を抱いた人々によって現地保存が提唱され「現地展示」へと繋がっていく過程についても明らかになった。
こうした「合掌造り」移築の詳細はこれまでほとんど明らかにされていなかった。しかし、こうした研究の積み重ねこそが、近代における民家の価値転換という大局を見るには必要不可欠である。よって本研究成果は非常に重要だといえる。
さらに、本年度は、平成19年度から引き続き近代以降の民家研究について文献資料調査を行うとともに、「合掌造り」の移築および文化財化に関する新聞記事についても収集および分析を行った。また、平成19年度からの研究成果の一部を学会および学術論文において発表した。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010 2009

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 近代日本における人文景観を中心とした「空間」の保存と活用の歴史的展開-文化財保護制度を中心として-2010

    • Author(s)
      才津祐美子
    • Journal Title

      国立歴史民俗博物館研究報告 156

      Pages: 123-135

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 資源化される民家-「合掌造り」の移築を通して-2009

    • Author(s)
      才津祐美子
    • Organizer
      日本民俗学会第61回年会
    • Place of Presentation
      國學院大学
    • Year and Date
      2009-10-04

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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