2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730018
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
斎藤 一久 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 講師 (50360201)
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Keywords | 憲法 / 憲法訴訟 |
Research Abstract |
今年度は、(1)ドイツ連邦憲法裁判における<ゆらぎ>と考えられる最近の判例傾向の分析及び(2)(1)の判例における判断手法について研究を実施した。とくに十字架判決、イスラム教の女性教師のスカーフ判決、L-E-R判決などを中心として、連邦憲法裁判所の判例だけではなく、下級審である専門裁判所などの諸判例についても遡り総合的に検討を加えた。同時に判例評釈及び論文などについても研究の対象とした。 ・(1)については、結論には至っていないが、価値多元化社会において憲法裁判所が一定の判断を下すこと自体に大きな価値対立を生むといったような困難さが、このような<ゆらぎ>を引き起こしている原因ではないかという仮説を立てながら、検証を実施した。これに対して、日本の判例についても比較検討したが、より総合的な研究は次年度に進めていく予定である。 また(2)において、とくに憲法裁判における和解について、訴訟法、裁判所法、専門裁判所の実務などの観点からも調査・研究を行った。本年度は、ユング・フライハイト判決で問題となった新聞社に赴き、インタヴューを実施し、その和解プロセスを調査した。また連邦憲法裁判所によって誘導されたスカーフ判決及びL-E-R判決についての州の立法状況についても調査し、その動向を探った。この分野についても日本との比較が必要であるが、次年度に実施することとする。
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