2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南野 森 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (50346756)
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Keywords | ミシェル・トロベール / 憲法の解釈 / 憲法の概念 / 司法の独立 / 裁判官の良心 |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続き、研究課題に関する邦語・欧米語の文献の収集に努めるとともに、現代のフランスにおける憲法学基礎理論の分野での代表的論者であるミシェル・トロペール(パリ第十大学名誉教授)の仕事を中心に、現代のフランス憲法理論の研究を行った。本年度はその論文を邦訳することはできなかったものの、引き続き、トロペール教授の著書『法哲学』の邦語訳を準備中である。 本年度の目立った研究実績としては、まず、2008年7月にこれまでで最大の改正を受けたフランス憲法について、その改正概要の紹介と一定の分析を行っていた旧稿「フランス-2008年7月の憲法改正について」(法律時報81巻4号、2009年3月発表)にいくつかの重要なアップデートを施して、辻村みよ子=長谷部恭男(編)『憲法理論の再創造』(日本評論社、2011年3月)に所収できたことがあげられる。さらに、上記のフランス法理論の影響を受けて、裁判官の良心について原理的な考察を行った論文として「司法の独立と裁判官の良心」をジュリスト1400号(2010年4月)に掲載することができたし、また、直接にフランス憲法学に言及するわけではないが、その影響を大きく受けて学生向けに執筆したものとして、「憲法-その意味・その特色・その目的」を法学セミナー676号(2011年3月)に掲載することもできた。 さらに、本年度は、2010年12月に、メキシコシティで開催された第8回国際憲法学会世界大会に参加し、トロペール教授を始めとした、多様な国・地域から参加した研究者たちと5日間にわたって貴重な研究交流を行うことができた。その簡単な報告を「第8回国際憲法学会世界大会に参加して」と題してジュリスト1415号に寄稿した。
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Research Products
(3 results)