2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730032
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
楠 茂樹 Sophia University, 法学部・法律学科, 准教授 (70324598)
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Keywords | 政府調達 / 公共工事 / 独占禁止法 / 不正防止 / 課微金 / 入札談合 / 入札改革 / 官製談合 |
Research Abstract |
19年度前半においては主として、文献調査を中心に、設定した課題についての論点、争点の整理と情報収集に努めた。公共調達分野における不正行為について、わが国は「入札談合」がその問題の大きなウェイトを占めていること、そしてその背景が長期的な官民間の「協働」「貸し借り」にあることを認識するに至った。そこで、設定されたテーマをさらに具体的化し、(1)官製談合に象徴される入札談合にかかわる官のかかわりの構造解明、(2)入札談合等独禁法違反に対する制裁制度の歴史、(3)公共工事法制それ自体の改革による不正防止の方策、(4)いわゆる「外郭団体」の存在と不正へのかかわり、防止策、とに分け、各々の分析を通じて、最終的には設定されたテーマの総合的な分析へと発展させる構想を立てた。 19年度後半においては、文献調査に加え、フィールドワークを交えた調査を行った。具体的には、公共調達改革に取り組む各地方自治体、それらの改革の影響下にある各建設業協会、業務委託調達について国交省及び財務省、防衛調達の不正に関連して防衛省、受注産業側にそれぞれ聞き取り調査を行った。 また、20年2月には欧州調査を行い、欧州における公共工事法制や、不正の実情、OECD等国際機関の取り組みなどについて、聞き取りを行った。 これらの調査に基づき、現在、(1)独占禁止法の制裁・措置の歴史(著作・和文)、(2)入札談合を中心とするわが国の公共調達の不正構造の分析(論文・和文及び英文)を作成中であり、(1)については21年度中に、(2)については20年度中に完成させ、その後出版、投稿することを予定している
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