2008 Fiscal Year Annual Research Report
保険取引と課税 ~ 保険事業の国際化に伴う利益の帰属
Project/Area Number |
19730033
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
辻 美枝 Osaka University of Economics, 経営学部, 講師 (00440917)
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Keywords | 再保険取引 / PE / 税法 |
Research Abstract |
本研究の主たる研究対象は、二国間(あるいは複数国間)の保険取引から生ずる利益の帰属をめぐる課税管轄権の問題である。対象とする保険取引は、保険会社の親子会社形態・本支店形態によるもの及び保険会社以外の一般法人が海外に設立するキャプティブ形態によるものである。まず、研究手順として、OECDで継続中の保険事業についての議論を追い、保険事業を行う恒久的施設の利益の帰属の問題を分析した。本研究は、国内法上の問題に留まらず、わが国が締結している租税条約上の問題にも関係する。それを踏まえて、国際的な保険取引の課税管轄問題について移転価格税制を含めて調査・分析を行った。調査・分析の方法としては、以下の通りである。 1. 平成19年度に引き続き、国内外の関連文献を収集し、分析するため、インターネット、Lexis、beck-online等の各種データベースを有効に用いて、文献・資料等の収集を行った。 2. The 62^<nd> Congress of the International Fiscal Association(Belgium)及びThe Conference on the 50^<th> Anniversary of the OECD Model Tax Convention(France)に出席し、本研究に関し有益な情報を得ることができた。両方の会議を通して国内外の研究者と情報交換を行った。 今後残された課題として、保険事業に対して特別規定を有する米国の取り組みについて調査・分析を行うとともに、ドイツの移転価格問題に対抗する最近の動きを追い、わが国の対応と比較分析し、その結果を論文にまとめる予定である。
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