2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハイテク産業に注目した競争排除行為に対する独禁法規制基準の解明
Project/Area Number |
19730047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 邦宣 Osaka University, 高等司法研究科, 准教授 (00305674)
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Keywords | 独占禁止法 / 競争者排除行為 |
Research Abstract |
医薬品産業や電気通信作業などハイテク産業とよばれる産業分野では、特許権やネットワーク効果に起因して、独占が発生する危険性が大きい一方で、イノベーションが活発になされるなど、市場における競争は通常の市場におけるよりも激しいものと評価されている。前者は積極的に独占禁止法の適用を要請するようにみえ、後者は独占禁止法の適用が不要であり、むしろ規制の失敗を招来するようにみえる。本研究は、このような独占禁止法の適用が必ずしも一義的ではないハイテク産業について、カルテルなどの競争回避行動ではなく、競争者排除行為に注目して、規制基準の解明を目指すものである。比較法研究の対象としては、米国法およびEU法とするが、昨年度のEU法に続き、今年度は米国法に注目して検討を行った。より具体的には、昨年度のEU法に続き、本年度は米国法に関心を移し、検討を行った。米国では司法省とFTC間で、競争排除行為に対する規制態度の相違が明確になってきており、極めて輿味深い議論が継続されている。本年度はその議論の流れを追うとともに、EU法の研究を継続した。さらに本年度より、市場支配力および市場確定における経済学の利用方法について、研究を開始した。これは研究全体の基礎研究となるものである。
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