2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイテク産業に注目した競争排除行為に対する独禁法規制基準の解明
Project/Area Number |
19730047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 邦宣 Osaka University, 高等司法研究科, 准教授 (00305674)
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Keywords | 独占禁止法 / 競争者排除 / ハイテク産業 |
Research Abstract |
ハイテク産業における問題を検討するにあたり、次年度と継続して、本年度も電気通信産業における問題を検討することとした。具体的に、米国における電気通信産業の問題として、継続してネットワーク中立性の問題を検討するとともに、ECにおける問題として、規制フレームワークの見直しの議論をサーベイした。モバイル産業における中立性問題にかかる成果の一部に、それら研究にかかる知見を反映させている。また、本年度の研究成果の一つは、ネットワーク産業における事業法規制のレメディを巡る議論である。機能分離等、いわゆる垂直分離の選択にあたり、イノベーションの問題が参照されることを大変興味深く考えている。同垂直分離の議論は事業法規制の問題であるが、独占禁止法規制を巡る本研究課題にも何らかの示唆を得ることができると考えている。他方、本研究の主課題である競争者排除行為の違法性判断基準については、抱き合わせを巡る議論を狩猟しつつある。成果の一つは、ある行為を市場閉鎖問題として捉える立場と、略奪問題として捉える立場が存在するという点である。略奪的価格設定についての研究を深化させることで、最終年度である来年度の成果作成につなげたいと考えている。以上に加え、全ての研究の基礎になるものとして、独占禁止法分析における経済的知見の利用方法についても、研究を進めている。これは必ずしも競争者排除に直接に関係するものではないが、同研究についても、最終年度である来年度の成果作成に活用したいと思う。
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