2008 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員制度の下における証人尋問の意義と調書の用い方に関する研究
Project/Area Number |
19730055
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 睦 Mie University, 人文学部, 准教授 (70362332)
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Keywords | 証人審問権 / 伝聞法則 |
Research Abstract |
裁判員制度のもとでの適正な事実認定を確保するためには、被告人側に対しても立証・防御活動の手段を十分に与え、公判審理を充実化させることが不可欠である。本研究では、アメリカにおける証拠開示をめぐる議論及び連邦憲法修正6条の対質権をめぐる議論と、同じく修正6条の強制手続請求権をめぐる判例・学説とを併せて検討することにより、被害者保護等の重要な利益をも保護しながら、被告人にとって重要な証人についての十分かつ必要な審問の機会を補償し、公正な審理を確保する手続のあり方を模索することを目標としている。今年度は、前年度までの研究成果を刑法学会第86回大会において一部報告するとともに、被害者証人と証人審問権をめぐる近年の連邦最高裁判例に関する資料収集及び分析・検討と、専門家証人の鑑定書の取り扱いをめぐるアメリカにおける学説上の議論の分析・検討をすすめた。これらの点に関して、アメリカ内部で実際にどのような受け止め方をされているか、どのような運用上の問題が生じているか等については、来年度現地調査を実施する予定であり、今年度はその準備作業をすすめるにとどまった。しかしかわりに、比較法的考察を深めるための準備の一環として、被害者保護を実現しながらも、裁判と量刑手続を被告人の更生と社会復帰により重点をおいたものへと変容させつつある豪州の試みについて現地調査を行い、専門家証人として活動している心理学者にも聞き取り調査を行うことができた。来年度は、これらの研究成果の一部を公表するとともに、アメリカ法の分析と調査及び資料収集をすすめるつもりである。
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Research Products
(2 results)