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2009 Fiscal Year Annual Research Report

裁判員制度の下における証人尋問の意義と調書の用い方に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19730055
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

伊藤 睦  Mie University, 人文学部, 准教授 (70362332)

Keywords証人審問権 / 伝聞法則
Research Abstract

本研究は、アメリカにおける連邦憲法修正6条の対質権と強制手続請求権をめぐる議論を併せて検討することにより、真実発見や被害者保護等の公的利益にも配慮しながら、被告人にとって重要な証人についての十分かつ必要な審問の機会を保障し、公正な審理を確保するための手続のあり方を模索することを目的としてきた。
テーマに関して、特に必要であるのは、被害者証人の審問手続に関する問題であるため、昨年度から、米国連邦法域における判例・学説資料を収集・分析してきたが、今年度はその研究成果をまとめ、論文として報告することができた。そこでは特に、DV被害者や児童虐待被害者が、当該事件から受けた被害のために公判で証言不能に陥った場合に、被告人の自己責任の問題として、被告人から対質権を奪うことが許されるかという課題をめぐる判例・学説上の議論を検討した。そして、米国連邦法域においては、被告人による継続的なDV行為や虐待行為が証明された場合に、その行為から、被告人が「被害者の証言を妨げる意図」を有していたことを推認し、被害者に対する尋問の機会を失わせることがありうるとする一方で、そのような証明がない限り、被告人が本当に犯行を行ったか否かを吟味する機会を奪うことは、審理の前に被告人を犯人と決めつけることに他ならず、許されないとする解釈運用があることを明らかにした。
また今年度は、弁護士に対して聞き取り調査を行い、実施されている裁判員制度と公判前整理手続において、供述調書や公判外供述がどのような扱いを受けているか、被害者たる証人につき十分な尋問ができいるか、共犯者証人や専門家証人等に対してはどうか、等の実態を知ることができた。来年度はさらに、尋問を受けた専門家や他の弁護士、検察官、裁判官等にも調査を行い、実態把握につとめたい。また、準備をすすめてきた米国での現地調査についても実施し、研究成果をまとめたい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 被害者供述と対質権2010

    • Author(s)
      伊藤睦
    • Journal Title

      法経論叢 27巻2号

      Pages: 31-44

  • [Journal Article] 犯行メモの証拠能力(迎賓館事件)2010

    • Author(s)
      伊藤睦
    • Journal Title

      法律時報 82巻2号

      Pages: 120-124

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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