2008 Fiscal Year Annual Research Report
米国法の支配株主の画定基準から見た新会社法の親子会社の実質的画定に関する研究
Project/Area Number |
19730083
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
水島 治 Ritsumeikan University, 法学部, 准教授 (70345445)
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Keywords | 会社法 / 親子会社 / 純粋持株会社 / 支配株主 / 信認義務 / アメリカ法 / 支配従属関係 / 実質的画定 |
Research Abstract |
1. 総説 本年度は、助成対象期間の2年目に当たることもあり、最終年度において本研究を完成させるために必要なアメリカ法の判例等の分析およびわが国の会社法およびその関係領域の分析・検討を中心的に行った。また、本年度は2008年度日本私法学会大会において本研究に関連する個別報告の機会を得ることができた。このため、当該個別報告の準備等に係る作業にも一定時間を費やした。 2. アメリカ法関係 平成19年度実績報告書にもあるように、アメリカ法の判例を初めとした資料・文献の収集は、前年度の作業においてほぼ完了することができた。また、昨年度はデラウエア州の判例法の動向等を中心として分析作業を行ったため、今年度はデラウエア州以外の州法の動向を中心として検討を行うこととした。これによって、アメリカ法における主要な州法の分析作業がほぼ終わった。 3. 日本法関係 わが国の会社法に関しては、本年度も理論・実務双方に関する論文等が多数出版・公表されたため、前年度同様にそうした資料の収集・分析を進めた。また、承知のように、会社法は多様な種類株式の創設を可能とする制度を採用していることから、本研究との関係では種類株式発行会社の場合における親会社・子会社の画定という問題が従来以上に顕在化することになることに配慮して、こうした問題について特に焦点を当てながら解釈論的検討を進めることとし、平成20年度科学研究費補助金交付申請書において予定した作業を実施した。なお、これに関する論攷は、すでに論文として発表しているが、公表が事実上次年度に係るものとなったため、次年度の実績報告において説明する。 4. 学会報告関係 冒頭にも述べたように、今年度は日本私法学会における個別報告の機会を得ることができたため、平成20年度科学研究費補助金交付申請書(3)(2)に記載した通り、本研究に関するテーマで当該報告を行うことができた。この中では特にアメリカ法の状況とその特色・背景を理論的に探りながら、わが国への制度的示唆を概説したものである。当該個別報告においては、司会及び参加者より有益な指摘を受け、本研究の遂行の上でも非常に有益であった。なお、本報告に関する論文は、雑誌「私法」に対してすでに入校済みであるが、公表は次年度となる。
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Research Products
(1 results)