2007 Fiscal Year Annual Research Report
扶養の権利・義務の明確化に関する研究-公的扶助制度との協働をめざして
Project/Area Number |
19730084
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
冷水 登紀代 Tezukayama University, 法政策学部, 准教授 (50388881)
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Keywords | 私的扶養 / 公的扶助 / ドイツ法 |
Research Abstract |
本研究は、要扶養状態にある者の危険を解消する扶養制度と公的扶助制度が協働するためのシステムを確立する前提作業として扶養の権利義務の明確化を図るものである。 平成19年度は、当初、自治体アンケートを中心にする予定であったが、本研究の比較対象であるドイツにおいて、2003年に高齢時・稼働能力減少の際の基礎保障制度が整備されてして以来、公的扶助制度が扶養制度に与える影響がさらに大きくなっていること、そしてこのような制度の改革の影響を踏まえた上で、日本における制度の問題点を確認し、そのうえで改めてドイツ法からの示唆を得た方が、より効率がよいのではないかとの指導を、各方面からえたため、まず、ドイツ法の改正状況を踏まえ、扶養制度と公的扶助制度がどのように現在機能しているのかということを明らかにすることに努めた。そのため、8月にドイツ・ケルン大学・ミュンヘン・マックスプランク研究所を中心に資料収集を行った。ここでの成果の一部を11月に行われた家族<社会と法>学会にて、「扶養制度と公的扶助制度の連携-ドイツ法を手がかりとして」と題して報告した。ここでは改正後も踏まえたドイツにおけて公的扶助制度と扶養制度とを連携させるための自治体からの償還制度を紹介した。そして、ここでの成果をふまえ、当初予定していたことであるが、社会法改革が、社会扶助実務にどのような影響を与えているかを調査する必要があると考え、2月のブレーメンAmt fuer Soziale Diensteにて、Fachabteilungsleiter Herr Wojkeにインタビューする機会をえて、近年の改革による社会扶助と扶養制度への実務上の影響と問題点を確認することができた。 これらの調査結果を踏まえ、現在、自治体アンケートを実施するための質問票の作成の準備をすすめているところである。
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