2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730095
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
今村 哲也 Meiji University, 情報コミュニケーション学部, 講師 (70398931)
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Keywords | 著作権 / 保護期間 |
Research Abstract |
平成19年度は、欧米の著作権保護期間に関する研究成果を収集しながら、著作権保護期間の有限性に関する理論的根拠や課題、著作権保護期間を先んじて延長した欧米の状況等について分析した。 研究成果の中間報告として、早稲田大学21世紀COE《企業法制と法創造》総合研究所知的財産法制研究センターが主催する研究会において「著作権の保護期間に関する理論的考察-欧米の議論をふまえて-」と題する報告を行うとともに(2007年6月29日)、論文にまとめて公表した(拙稿「欧米の著作権の保護期間延長論議にみる理論的諸相」高林龍編『知的財産法制の再構築』(日本評論社、2008年3月)所収)。保護期間の有限性を規律する規範的原理、固定期間モデルの登場した経緯、ポズナー=ランデスによる「無限に更新可能な著作権」の議論を整理しつつ、欧米における保護期間の拡大とハーモナイゼーションの連鎖状況についてまとめるとともに、公共選択論による権利拡大傾向の説明、メインテナンス・インセンティヴを理由とした保護期間延長諭議について指摘した。 また、保護期間延長に関しては延長の効果に関する実証研究の必要性が指摘されているところ、欧米における研究概況を案内する機会として、上記知的財産法制研究センターの開催する国際セミナーをコーディネートし、延長の効果に関する実証研究を行い注目されているジョージア大学ロースクールのポール・J・ヒールド教授を招へいし、研究成果について議論をする場を設けた(2007年9月19日)。ヒールド教授による実証研究論文については、著者より許諾を得て、日本語に翻訳して公表した(ポール・J・ヒールド〔今村哲也=宮川大介訳〕「財産権と著作権保護のある作品の効率的利用-パブリックドメインおよび著作権保護のあるベストセラー詳説に関する実証研究」別冊NBL120号(2007年11月))。
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