2007 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国における政教分離の政治学的基礎-脱世俗化社会におけるデモクラシー
Project/Area Number |
19730099
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 敬史 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 講師 (40374178)
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Keywords | 政教分離 / 市民宗教 / 建国史 / 政治学 / アメリカ合衆国 / 共和主義 / キリスト教 / 信教の自由 |
Research Abstract |
平成19年度は、以下の分析枠組みの確立に重点を置いた。 (1)「アメリカの教会史」、(2)「移民の宗派構成の変遷」、(3)「宗教団体の政党への協力姿勢の特徴と変遷」、(4)「政治思想史における政教分離原則」、(5)「憲法学的政教分離原則とその政治社会への投影」、(6)「政教分離原則の神学的位置づけ-特にピューリタニズム神学」、(7)「アメリカにおける『脱世俗化論』の研究動向」。この七点を中心に、文献の収集、考察を進め、研究ノートをまとめた。 上記の研究成果は順次国内外の学会・研究会に提供し、議論を行うに当たっての、共通の基盤づくり進めると同時に、その方針の修正を継続的に行った。こうした作業の課程で得られた研究成果を総合して、「脱世俗化理論」という分析枠組みのさしあたりの確立を行った。その際に柱となったのは、この研究計画を構想するまでに行ってきた、「市民宗教論」にかんする研究をいかに今回の研究計画の中に発展的に昇華できるかということであった。つまり、国民の宗教感情を、特定の宗派的主張を最小限に抑えつつ、政治的動員と安定に結び付けてきた「市民宗教」が、「脱世俗化」という社会風潮においてどのような変容を遂げてきたのを明らかにすることを通して、現代アメリカにおける政教分離原則の政治学的あり方分析するための基礎としての「脱世俗化論」という分析枠組みを確立する。具体的には、「脱世俗化の政治学-市民宗教と政教分離の間」というテーマで、論文にまとめ、来年度には研究報告を行う予定である。
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Research Products
(1 results)