2009 Fiscal Year Annual Research Report
韓国憲法の持続と変化:新制度論における制度的均衡と均衡制度の観点から
Project/Area Number |
19730111
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
浅羽 祐樹 Yamaguchi Prefectural University, 国際文化学部, 講師 (70403912)
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Keywords | 憲法 / 韓国政治 / 新制度論 / 制度的均衡 / 均衡制度 |
Research Abstract |
本研究は、韓国憲政史における歴代憲法の持続と変化のダイナミズムについて、新制度論における制度的均衡と均衡制度の観点から実証的に解明しようとするものである。今年度は本研究を完成させ、次の研究課題の導出に努めた。 韓国憲法の生成・持続・変化のダイナミズム(均衡制度)は、その核心である大統領制がどのようにデザインされ、政治的効果や帰結(制度的均衡)をもたらすのかに大きく規定されていることが明らかになった。その意味で、政治制度の一つとして韓国憲法を位置づけ、新制度論における制度的均衡と均衡制度の観点からアプローチするという本研究の手法は妥当であることが確認された。 今年度も国内外で精力的に成果を公表した。第1に、韓国憲法の核心である大統領制について多国間比較と時系列比較の中で位置づけ、「比較執政制度論における韓国の大統領制」という次の研究課題の端緒とした。 第2に、韓国憲法だけでなくあらゆる憲法に内在している民主主義と立憲主義の原理的な対立・緊張関係について論じたポレミカルな新書を韓国語に翻訳し、研究成果を調査対象国の一般読者向けにも積極的に還元した。 第3に、広い意味での憲法に相当する選挙制度について、韓国を事例に制度的均衡の観点から整理した論文を公共し、投票行動研究のフロンティアに一助した。
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