2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国共産党による「党軍」建設と基層社会(1924年〜1934年)
Project/Area Number |
19730115
|
Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
阿南 友亮 Tokyo Seitoku University, 人文学部, 講師 (50365003)
|
Keywords | 政治学 / 政治史 / 近現代中国政治 / 近現代中国軍事 / 中国共産党史 / 中国人民解放軍史 |
Research Abstract |
4年間の研究計画の初年度である平成19年度の研究活動の焦点は、中国における資料収集と1927年以前の中国共産党による農民の制度的武装化に関する研究を進めることにあった。資料の調査・収集は、1月と3月に計2度実施した。1月の調査の際には、先ず北京の国家図書館と北京大学歴史系資料館において資料調査をおこなった。その結果、広東省における共産党による農民の制度的武装化と軍隊建設に関する貴重な資料を多数入手した。その後、北京大学国際関係学院の教員の紹介状を持って広東省広州市にある広東省〓案館へ赴いた。広東省〓案館には、1920年代、30年代の共産党の文書が大量に保管されており、これらを閲覧することができたのは研究を進める上での大きな成果であったと認識している。帰国後、北京や広州での資料調査・収集の成果を取り入れて、平成19年度の研究成果を論文「広東における農民自衛軍の制度化と発展の過程(一九二四年〜一九二七年)一国共合作期における革命軍隊の基盤形成一」にまとめ、慶應大学法学研究会の『法学研究』第81巻1号で発表した。この論文の意義は、農民自衛軍が共産党による農民の制度的動員に基づく軍隊建設の最初の試みであったこと、ならびに、これまで不明な点が多々あったその試みの全容を新たな資料を基に明らかにした点にある。3月の調査では、1927年以降の広東における共産党による農民の制度的武装化と軍隊(紅軍)建設について研究するために、再び広東省档案館において共産党文書の閲覧をおこなった。また、農民の動員と軍隊建設が最も大々的におこなわれた広東省海豊県の革命関連の記念館などを訪問した際にも当時の状況に関する貴重な情報を入手することができた。3月の調査の成果は、平成20年度の研究活動に反映させる予定である。
|
Research Products
(1 results)