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2009 Fiscal Year Annual Research Report

南アジアにおける「国境線」概念の展開と変容

Research Project

Project/Area Number 19730124
Research Institution防衛大学校

Principal Investigator

伊藤 融  防衛大学校, 人文社会科学群, 准教授 (50403465)

Keywordsインド:パキスタン / 国際関係 / 国境 / カシミール
Research Abstract

これまでに行なってきたインド、パキスタン双方の側のカシミール現地調査の結果の整理を進めるとともに、2008年秋に発生したムンバイ・テロ以降の印パ関係、カシミール情勢についての調査・分析を行なった。ムンバイ・テロ以降、印パの公式対話が停止し、二国間関係が冷え込むなかで、カシミールをめぐる民間交流(ヒト、モノの移動)も一時困難になった。にもかかわらず、これまでの4年半の和平プロセスの流れ自体が「逆流」することはなかった。カシミールをめぐる印パのトラック2対話は第三国などで細々とつづけられ、2010年に入るとパキスタンのみならず、インド側でも対話再開を求める声が強まった。そのことが、2010年2月の外務次官協議に結びついた。
もちろん、たとえ、今後政府間対話が正式に再開されたとしても、カシミール問題が解決される見通しは立っていない。しかし印パ間では、カシミールの重要性が次第に低下し始めていることは間違いない。とくにインド側は、「グローバル・プレーヤー」をめざすなかで、カシミール問題に拘泥しない合理性を示しはじめている。むしろインドがこだわっているのは、パキスタンにおけるテロ組織の根絶にほかならない。他方、元来カシミール問題の重要性をより主張しつづけてきたパキスタン側ですら、自らが治安と経済上の危機にさらされるなかで、これまでの傾向に少しずつではあるが変化もみられる。
カシミールの領土とアイデンティティをめぐる印ぱ紛争の意味合いが、今後も低下傾向をたどることに変化はないことが明らかになったといえよう。

  • Research Products

    (3 results)

All 2009

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] アジアにおける力の移行-インドの視点2009

    • Author(s)
      伊藤融
    • Organizer
      国際安全保障学会
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      2009-12-05
  • [Presentation] 大国化するインドの対大国外交2009

    • Author(s)
      伊藤融
    • Organizer
      日本国際政治学会
    • Place of Presentation
      神戸市国際会議場
    • Year and Date
      2009-11-07
  • [Book] 東アジアの国際関係-多国間主義の地平2009

    • Author(s)
      大矢根聡編(伊藤融, ほか共著)
    • Total Pages
      123-140
    • Publisher
      有信堂

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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