2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730126
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
BO PEILIN Kansai University, 付置研究所, 研究員 (40404024)
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Keywords | 「聯日」論 / 申報 / 王韜 / 華夷思想 / 興亜論 / 黄遵憲 / 対日観 / 黎庶昌 |
Research Abstract |
本年度はまず、1879年の琉球処分から1894年日清戦争勃発にかけての日清間の外交文書、新聞、及び清側要人が残した書簡・日記などの史料の調査をした。現存する外交史料と清末の新聞を読み直してその中の「聯日」に関する言説を網羅的に収集し、同時に関連資料の調査収集、それぞれの分析をも並行して行った。国内および北京・上海での調査を経て、張之洞・曾紀沢・黎庶昌などの官僚、及び黄遵憲や王韜などの知識人について具体的な解析の作業をすすめた。また、政府レベルの論議のほかに、ジャーナリズムによる「聯日」論をも検討した。主に『申報』『西国近事彙編』『万国公報』などの中国近代新聞を中心に考察を加え、史料の収集及び解析を行った。清末の「聯日」論を分析する際に、幕末日本に現れた「日清連携」を唱えた「興亜論」を念頭に置いて、両者を比較すると同時に、19世紀以来東アジアに現れた地域主義的な思潮における清末の「聯日」論の位置づけを指摘した。これらの作業によって、清末時期の「聯日」論の位相を整理することができた。さらに、その性格や時代的な特徴をも明らかにした。 その成果の一端は、まず国際シンポジウム「東アジア文化交流-人物往来」(中国杭州)において、「聯日」論を唱える清末の官僚知識人と明治の思想家で興亜論者でもあった中村敬宇との交流往来、及び両者の東アジア国際情勢をめぐる思想的な共鳴を指摘した報告をした。また、国際シンポジウム「グローバル視野下の日中関係史」(中国上海)において、「甲午戦争前中国的"聯日"外交論」と題して、清末中国の「聯日」外交論の全体像について報告した。
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Research Products
(3 results)