2009 Fiscal Year Annual Research Report
世界銀行の査閲(インスペクション)パネルと市民社会におけるアカウンタビリティー
Project/Area Number |
19730134
|
Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
段 家誠 Hannan University, 国際コミュニケーション学部, 教授 (20340846)
|
Keywords | 世界銀行 / NGO / インスペクション・パネル / 市民社会 / アカウンタビリティー / 国際レジーム / World Bank / 国際援助論 |
Research Abstract |
世界銀行(以下世銀)は、加盟国政府に貸付するプロジェクトが自己のガイドラインに違反していないかを調査する査閲(インスペクション)・パネルを持っている。パネルへの申し立ては、世銀プロジェクトによって影響を受ける住民や代弁者となるNGO(非政府組織)等によって行われる。パネルとNGOの参加は、世銀のアカウンタビリティー(説明責任と結果責任)を問う上で重要である。 本研究は、(1)世銀パネルの世銀組織への効果・影響を文献調査と専門家および関係者らへのヒアリング等を通じて明らかにする。(2)必要に応じて、開発途上国におけるパネル対象事例を実地調査する。それによって国連・世銀組織研究を単なる文献上のものではなく、実証可能な学問として調査手法を含めて新たに開拓し進展させる。(3)世銀へのアドボカシーNGO(世論啓発、政策提言型NGO)の影響力についてパネルの事例を通じて検証する。そこからNGOの市民社会における役割を検討する。以上を大きな目的として調査研究を進めた。 以上の目的を達成するため、当該年度は4月から6月まで論文と図書等の文献収集を国会図書館のデータベース等を利用して行った。.7月から8月にはパネルの対象と'なうた案件かち調査対象を選定し、9月にはインドのムンバイ都市交通プロジェクトについて実地調査した。同プロジェクトは、スラム地域他の低所得者層や商店主を移住対象としたプロジェクトであつた。まだシンガポール国立図書館では記事検索データベースから過去10年約2000件を越える世銀プロジェクト関連の雑誌と新聞記事を収集した。同月にはキーン・パネル議長と面会した。11月には日本国際政治学会研究大会の国際レジームに関する部会で報告を行い研究ペーパーを刊行した。2月には国立国会図書館とアメりカ・ワシントンD. C. の議会図書館、世銀、公文書館(アーカイブII)で文献の補足調査と資料の収集を行った。
|