2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク外部性がある財の販売のメカニズムデザイン
Project/Area Number |
19730144
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
七條 達弘 Osaka Prefecture University, 経済学部, 准教授 (40305660)
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Keywords | ネットワーク外部性 / 調整ゲーム |
Research Abstract |
ネットワーク外部性がある財の販売方法として、返金特約付の予約券販売方法を考案し、その実験を行っていたが、今年度は、対照実験として、予約券の金額がゼロ円である場合について実験を行った。理論上、この場合は、複数の均衡が存在するため、パフォーマンスがよくない事が予想されていたが、理論予測どおりである事が確認された。また、この結果から、予約券の金額がゼロ円である場合に酷似しているチープトークも、高いパフォーマンスを得ることができない事が類推される。 返金特約付予約券販売方法は、均等コスト配分とするメカニズムであるが、これを上回るメカニズムが存在しえるか否かについて検討を行った。複数の望ましいと思われる条件を設定した場合には、均等コスト配分以外のメカニズムを得ることが出来ないことが分かった。この基準を採用するならば、返金特約付予約券販売方法は、最適な結果をえるメカニズムの一つである事が分かった。 また、実験などで観測される非合理的な行動について選好の進化で説明する理論研究を行った。昨年度と異なり、理論の一般化を行った。その結果、安定であるための必要条件を得ることが出来た。 この条件は、NSSを少し強くした条件であり、使いやすい安定性の判定条件である。同時に、2つの役割があるゲームについて不安定性の条件も一般的に求めた。さらに、本研究プロジェクトにおけるモデルで安定であれば、先行研究のモデルで安定でも安定であるという定理を導き、先行研究より緩い安定性の条件をえた。つまり、このモデルは、先行研究のモデルの結果の頑健性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)