2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730150
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 敏裕 Kwansei Gakuin University, 経済学部, 准教授 (50411773)
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Keywords | Technology diffusion / Medium term cycles / Japanese economy |
Research Abstract |
本研究の主な目的は日本経済の中期的景気循環の分析を行い、1990年代初頭以降の日本経済低迷の原因を明らかにすることにある。本年度は主に以下の二点で分析をおこなった。 第一はマクロ的な実証分析である。日本だけではなく他国(韓国、カナダ、英国など)のデータを使用し、(アメリカからの)技術伝播が他国の経済の中期的景気変動に重要な影響を与えていることを、R&DとTFPの間のGranger causalityテストを行い実証的に示した。また、日本とアメリカのrelative price of capitalを使用し、同様にGranger causalityテストを行い技術伝播の影響を検証した。relative price of capitalを使用した結果からは、アメリカからの技術伝播の影響は有意には検証されなかった。 第二に、日本経済の景気変動には金融的な側面も重要な役割を与えていると考え、corporate financeの日本企業への影響を理論と実証の両面から分析した。 これらの研究成果に関して、2008年11月に行われた日本金融学会関西部会や2009年1月8日に行われた大阪府立大学経済学部理論・計量経済学セミナーで報告を行い、セミナー参加者と活発な議論を行い多くの貴重なコメントを得た。前年度および本年度のセミナー報告や学会等での他の経済学者との意見交換から、1990年代の日本経済の中期的な低迷に関しては他国からの技術伝播の影響だけでなく、金融的な側面も重要なのではないかという議論がいくつか持ち上がった。この点に関しては2008年度に集中的に研究を行い、その重要性が浮かび上がってきた。
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Research Products
(3 results)