2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際的視点からのピグー研究―貿易論・対外関係論・知的交流―
Project/Area Number |
19730152
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
本郷 亮 Hirosaki Gakuin University, 社会福祉学部, 講師 (80382589)
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Keywords | ピグー / 厚生経済学 / 国際貿易 / 戦間期 / イギリス / ケンブリッジ学派 / 金本位制 / 大衆社会 |
Research Abstract |
平成21年度は、本研究(国際的視点からのピグー研究)の第3年目にあたり、そこでの成果は、およそ以下の3点に整理される。 第1に、2009年のケンブリッジでの資料調査の成果の1つを、論文「A.C.ピグー「非自発的遊休の問題」(1910年)-原文・邦訳・解説-」として公表した。世界的にも知られていなかった同資料の発掘は、非自発的失業論に関する従来の通説の再検討を迫る、非常にインパクトのある発見であった。 第2に、ピグー厚生経済学に対する外国経済学等の影響を全体的に研究することは、容易ではないが、その研究成果のある程度の部分を、学会報告等を通じて公表した。平成21年度には、他大学からの招聘報告の依頼(慶應義塾大学と関西学院大学)が2件あったように、本研究に対する研究者たちの関心は高いと言えよう。慶應義塾大学からの招聘報告の内容は、平成22年度内に論文集として公刊される予定である。 第3に、ピグーの主要著作上での外国経済学者への言及を洗いだす作業、ならびにピグーと外国人経済学者との相互影響関係を書評を通じて洗い出す作業をおこなった。これらの成果を、早期に、かつ具体的に、何らかの形で公表することが課題である(図書の形で公表することを模索中)。特に前者の作業を通じて明らかになったことは、外国人経済学者のピグーに対する影響は、初期から一貫して見られるという重要な事実である。そこで、これを具体的に示すために、ピグーの最初の体系的著作『富と厚生』の邦訳をおこなうことが最善の道だと考えるに至った。邦訳を必要とするもう1つの理由は、わが国にはピグー厚生経済学体系の邦訳書がまったく存在しないという事実である。邦訳作業はほぼ完了しており、2011年後半~2012年前半に公刊する予定である。同邦訳書に収録される「解説」のなかで、外国人経済学者の影響も詳しく論じられるだろう。
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Research Products
(6 results)