2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横井 渉央 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (90344712)
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Keywords | 地方財政 / 実証研究 / 空間自己相関 / 日本 / 市町村財政 |
Research Abstract |
従来の公共経済学・財政学における政府行動の分析においては近隣の政府の行動を明確にモデルに含めることは少なかった。過去の近隣からの影響をも含めた時空間的影響を考慮してこなかった主な理由は、その影響が小さいからというよりも、むしろ分析の困難さであったかと思われる。しかしながら、昨今の時空間自己相関モデルや計量手法の発展により、時空間的影響をより容易に考慮できるようになっている。時空間的影響をモデルに追加しうる分野は多く、またその追加による分析の可能性は非常に広範囲に及ぶと思われるが、本研究では特に具体的な適用分野として市町村財政の時空間自己相関モデルを考えている。 本年度は4年間にわたる研究期間の初年度としてサーベイを進めるための図書の購入や計算機環境の整備を行った。端緒的な研究も含め、3つの研究の成果があった。 (1)「市町村財政と少子・高齢化の時空間自己相関モデル」は、あまり類を見ない市町村財政についての時空間自己相関モデルの予備的な研究であり、時系列自己相関が無視し得ないことを示した。 (2)「Test Statistic for Space-Time Autocorrelations: An Application to the Land Prices in Tokyo Metropolitan Area」は、時空間自己相関の統計量についての発表である。事例としてのデータは市町村財政に関するものではないが、本研究課題を含むパネル分析一般に広く適応しうる応用範囲の広い研究である。 (3)「空間自己回帰モデルによる市町村合併パターンの評価」は、昨今の市町村合併において市町村間の相互依存関係があまり重視されていなかったことを指摘し、それについての新しい計量経済学的な手法の提案を行ったものである。
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Research Products
(4 results)