2008 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙・肥満と障害者の経済分析-全国高齢者パネル調査を用いた実証研究
Project/Area Number |
19730169
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
両角 良子 University of Toyama, 経済学部, 准教授 (50432117)
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Keywords | 喫煙 / 高齢者 / 障害者 / 要介護高齢者 / 虐待 / 介護保険制度 / 養護学校 / 就職率 |
Research Abstract |
平成20年度は、喫煙行動についての研究では、『家計調査』(総務省)のマイクロデータを用いて平成19年度中に執筆した論文「喫煙行動と居住地域 : Tweedie分布モデルによる検証」を日本経済学会で報告し、様々なコメントを得た。コメントに基づく修正作業が既に完了しており、現在、査読雑誌への投稿の準備を進めている。また、『全国高齢者パネル調査』(東京都老人研究所・ミシガン大学)のマイクロデータに基づく分析も継続しており、平成21年度中に学会報告を行う予定である。 また、介護保険制度・障害者自立支援法の政策効果や、障害が就業行動・経済状況に与える影響についての研究では、前者では高齢者を、後者では障害者を分析対象とした。 高齢者の分析では、介護保険制度の介入効果を検証するため、介護保険制度の下でのケアプランの利用や各種介護サービスの利用が、介護者による要介護者への虐待行為を抑制するかを分析した。分析結果は日本経済学会と医療経済学会で報告した。(論文「介護者にとって満足度の高いケアプランは在宅要介護高齢者への虐待を抑制するか? 」)現在、学会報告で得たコメントに沿って、修正作業を行っている。 障害者の分析では、マイクロデータに基づく分析を始める前に、マクロデータで長期的な傾向を把握する必要性が生じた。長期的な傾向を把握するため、『学校基本調査』(文部科学省)で報告されている養護学校高等部の卒業生の就職率のデータと、『職業安定業務月報』(厚生労働省)で報告されている障害者の職業紹介状況のデータを用いることにした。養護学校高等部の卒業生の就職率については、分析結果の一部を、論文「特別支援学校高等部の卒業生の就職率」にまとめ、日本財団VCASI公開研究会「社会のルールについてIV : 障害と経済について」で報告した。これらの分析は平成21年度も継続して行う予定である。
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