2009 Fiscal Year Annual Research Report
海上輸送産業における市場構造と価格形成に関する研究
Project/Area Number |
19730171
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
手塚 広一郎 University of Fukui, 教育地域科学部, 准教授 (90323914)
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Keywords | 海上輸送産業 / 定期船市場 / 不定期船市場 / アライアンス / 先渡し / 先物価格 / スポット運賃 / 港湾間競争 |
Research Abstract |
本研究は,海上輸送産業における「定期船市場」および「不定期船市場」の双方を対象として,それらの市場構造と価格形成との関係について,いくつかの観点から分析を行った.その内容と成果は以下の通りである. 第一に,寡占市場である「定期船市場」において,かつての海運同盟やグローバル・アライアンスの形成など企業間の協調行動が観察される一方で,米国における改正海運法の施行などの競争促進政策も導入・施行され,それらがともに市場成果に大きな影響を与えている.そこで,このような市場環境の変化が市場にどのような影響を与えたかという問題意識のもと,海運産業の資本資産評価モデル(CAPM)のβを推定し,それを用いて解釈を行った.この研究に関しては,本年度までに日本海運経済学会をはじめとしたいくつかの学会で報告し,それらの内容をもとに専門誌への投稿を行った. 第二に,完全競争市場に近いとされる「不定期船市場」において,船主や用船者の戦略的な行動が結果としてスポット運賃および先物/先渡し(Fright Forward Agreement)の価格形成に対していかなる影響を与えるかを検討した.とくに本年度は,Tezuka and Ishii (2008)を展開させ,非協力ゲーム理論の枠組みを用いたモデルを作成し,価格変動についてのいくつかの解釈を加えた上で,その内容を専門誌へ投稿した. 第三に,本年度は海運産業の基礎をなす港湾間競争にも焦点をあて,上記の不定期船市場の分析で用いた非協力ゲームの枠組みを適用して,モデルを用いて検討を行った。そこから得られた均衡価格に対していくつかの解釈を行い,それを2009年のIAME(国際海運経済学会)の学会で報告を行った.
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Research Products
(6 results)