2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730173
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
大堀 秀一 Gifu Shotoku Gakuen University, 経済情報学部, 准教授 (70378959)
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Keywords | 環境政策 / 混合寡占 |
Research Abstract |
公企業と私企業が同じ市場で競争する市場、いわば混合寡占市場の下での、望ましい環境政策のあり方について理論的に分析することを主な目的として研究を行った。 まず、この研究目的とつながる研究として、国際クールノー複占市場の下での戦略的環境税競争の動学モデル分析がある。この論文では、Dynamic Programmingの手法を用いて動学を表現し、国際複占市場の下で2国間での最適環境税率を、静学のケースと比較分析した。ここでは、国内私企業が外国私企業と第3国の市場で競争しているケースモデルを採用、そして、線形の需要曲線を仮定している。 この結果、動学における定常均衡の環境税率は静学のケースよりも低いことが示された。それゆえに、政府の動学的行動が環境損害を増加されることも示された。また、初期段階での2国間での環境税の国際協調の効果についても分析した。この結果、2国間での環境税の国際協調は、レント奪取効果が低下することで、定常均衡の環境税率を上昇されることが示された。この結果は、レント奪取効果を下げるために、初期段階において環境税率は協調的に導入されることが、環境改善の観点から望ましいことを意味している。また、この結果は今後、公企業のケースに拡張することで、発展途上諸国における環境税競争の望ましいあり方について分析することが可能と思われる。なお、この論文は現在投稿中である。
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