2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730181
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
横山 由紀子 University of Hyogo, 経営学部, 准教授 (80336825)
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Keywords | 労働経済学 / 家族形成 / 若年労働市場 / 少子化 / 婚姻状態 / 非正規労働 |
Research Abstract |
20年度に行ったアンケート調査の個票を用いて、婚姻状況と就業行動に関する分析を行った。特に非正規就業選択の背景に焦点を当て、以下の結果を得た。 まず、有配偶女性を除くと、非正規就業の選択は不本意である場合が多いといえる。50歳以下の場合、有配偶女性以外では正社員になりたいという意見が6割を超える。若い人ほど正社員を希望し、特に20歳代の男性ではフルタイム正規就業を希望する人は約8割に上る。正社員を希望する理由として、男女ともに雇用の不安定性や収入面での不満を挙げる人が多い。 雇用形態別では、派遣社員は不本意であることが多く、一方、パート労働者は比較的満足している人がいるものの、それでも有配偶女性を除くと正社員希望者が最も多くなっている。すなわち、有配偶女性のパート労働者以外の人は、非正規雇用を「就業の多様化」として前向きには捉えていないのが現実である。 次に、婚姻状態による就業行動・就業意識の差における最大の特徴は、男性は有配偶者の方が正規就業を希望しており、逆に女性は無配偶者の方が正規就業を希望しているという点である。特に無配偶女性については、正規就業を希望する理由として、未婚女性は雇用の安定性、離死別経験のある女性はよりよい収入を挙げている。 さらに、子どもを持つ母親の就業行動・意識の配偶関係による違いとして、母子家庭の母親は子どもがいたとしても就業行動を抑制しない傾向が見られた。有配偶女性については、子どもがいる場合に勤務時間を抑制する傾向にある。しかし、母子家庭の母親は子どもがいたとしても長時間勤務しており、かつ、正規就業への転職を希望している人が多い。
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Research Products
(2 results)