2007 Fiscal Year Annual Research Report
不動産市場とリスク:地震および犯罪リスクと不動産市場の相互関係に関する実証分析
Project/Area Number |
19730183
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
直井 道生 Keio University, 商学部, 講師 (70365477)
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Keywords | 地震発生リスク / 不動産市場 / 地震保険市場 / 防災政策 / ヘドニック分析 |
Research Abstract |
平成19年度の研究実績: 本年度は、当初計画に沿って、分析に用いる統計・資料の収集とデータセットの構築を行った。分析に用いる主要なデータセットとしては、慶應義塾家計パネル調査(KHPS)を用いた。焦点となる地震発生リスクに関する統計は、独立行政法人防災科学研究所による、地震ハザードマップの資料を入手し、GISソフトウェア(ArcView9.0)を用いてKHPSへの接続を行った。また、周辺環境の地震災害に対する脆弱性に関する指標としては、「住宅・土地統計調査」(国土交通省)による市町村別データを整備した。 そのうえで、構築したデータセットを用いて、本年度の研究課題である地震発生リスクと不動産価格形成に関する分析を研究論文としてまとめた。これらの分析結果は、日本経済学会春季大会、ヨーロッパ不動産学会、アジア不動産学会、日本経済学会秋季大会、全米経済学会等で報告され、うち1本はJournal of Property Research(2007,24(4),pp.313-334)に掲載された。当該論文はヨーロッパ不動産学会賞を受賞した。また、他の論文についても書籍、ディスカッションペーパーとして公表され、現在学術誌への投稿準備中である。また、上記の分析結果の一部を拡張したものは、申請者の学位論文に收録され、2007年2月に慶應義塾大学大学院経済学研究科に提出された。 来年度の研究課題である犯罪リスクと住宅所有の相互関係の分析に関しては、基礎となる国勢調査メッシュデータを入手し、現在データ構築を行っている。
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